日焼けサロンのがんリスクはタバコ並み?~UVの危険性の新常識~

2018年8月18日

日焼けをすることで小麦色の肌になることを健康的であるととらえている方も意外と多いのではないでしょうか?

もちろん紫外線を浴びることによるメリットはいくつもあり、(これに関しては別の記事で書いていますのでご参照ください:紫外線の必要性~UVを浴びるメリットとは?~)必ずしも悪ではありませんが、同時にとんでもないデメリットが共存します。

その一つが皮膚がんのリスクです。今回は日焼けサロンをはじめとした日焼けが皮膚がんを起こすメカニズムとその危険性をお知らせいたします。




皮膚がんとは?

そもそも”がん”とはなんでしょう?

がんが怖い病気であるということは知っていても、その原因や状態が漠然としている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

がんとは何か?

漢字で癌と書きます。英語でcancerです。悪性新生物、悪性腫瘍などと呼ぶこともあります。

私はがんの専門家ではないので、細かいことは分からないのですが、簡単に説明させていただきますと、細胞が異常に増殖したものを腫瘍といいます

そして、ただ増殖しただけならいいのですが、周りの細胞を壊したり、別の場所に転移したりすると命に関わり、これらをがんや悪性腫瘍と呼びます

国立がん研究センターによると、がんの主な原因としては、喫煙(男:約29.7%、女:約5.0%)と感染(男:約22.8%、女:約17.5%)が大部分を占めるそうです。

皮膚がんとは何か?

では紫外線を浴びることでリスクが高まると言われる皮膚がんとは何かを解説します。

皮膚がんは皮膚にできるがんの総称で、非常に種類が多いですが、最も有名なのが悪性黒色腫でしょうか。通称メラノーマといいます。

その他に多いのが基底細胞がん、有棘細胞がんなどとなります。それぞれ簡単に解説しましょう。

  • メラノーマはメラニンを作りだすメラノサイトから生じるがんです。ほくろのようなできものからスタートすることが多く、真皮にまで浸潤し、さらに横方向にも広がっていきます。非常に危険ながんとして知られています。なぜか足の裏にできることが多いです。
  • 基底細胞がんは日本人が最も多くかかる皮膚がんと言われます。基底細胞がんではほくろのようなできものができ、だんだん大きくなっていきます。比較的、転移しづらいがんのようです。
  • 有棘細胞がんは基底細胞がんについで多く発生する皮膚がんです。皮膚が盛り上がったようになり、出血しやすくなる症状が起こります。

紫外線で皮膚がんが生じるメカニズム

紫外線が当たることによってどのように皮膚がんを発症するのかというと、簡単に言えばDNAの損傷です。

それに加えて、細胞のがん化を抑制する機構にも影響があると言われています。

DNA損傷

DNAの損傷によるがん化の原理としてはピリミジン二量体の形成が良く知られています。

ピリミジン2量体
Skin Cancer Vol. 18 No. 2 2003 日光が皮膚癌発症にどのように関わるか

こちらの図が、ピリミジン二量体です。

通常、DNAは二重らせん構造をとっており、二本のDNA鎖が並んでいて、その中のシトシンとグアニン、アデニンとチミンが塩基対を形成することで正常に保たれています。

しかしながら、DNAに紫外線が当たることで、励起し、チミン同士が結合し、図のようなピリミジン二量体を形成してしまいます。

通常はDNA損傷に対して、細胞の修復作用が働きますが、上手く治せなかった場合、がんにつながってしまいます。

他にも、がん細胞の破壊に関わるランゲルハンス細胞の機能低下なども、紫外線によるがん化の原因と言われます。

 

 

日焼けサロンの皮膚がんへの影響

ここまで読んでいただければある程度わかってもらえたかと思いますが、紫外線を浴びることでがんになるリスクは上がります。

ではその程度はどれほどなのでしょうか?

日焼けマシーンという機械があります。これは皮膚に紫外線を人為的に照射することで、黒く日焼けさせるマシーンです。この日焼けマシーンで日焼けをすることができる場所を日焼けサロンといいます。私は行ったことがないのですが、この日焼けサロン、皮膚がんのリスクを高めるようです。

WHO(世界保健機関)の国際がん研究機関は様々な物質や環境における発癌性リスクを評価し、発癌性リスクをグループ1~4で分類しています。

最も危険性が高いグループ1は発癌性があることが十分に証明されたグループで、喫煙などそうそうたる顔ぶれが並びますが、2009年、日焼けサロンはそのグループ1に分類されることとなりました。

各国の対応

このように皮膚がんリスクがある日焼けサロンに対して、各国で規制が進んでいます。

例えばアメリカでは未成年者が日焼けサロンを使用する場合は親の許可が必要となる州が増えています。

さらにイギリスでは18歳未満の日焼けマシーンの利用が禁止されています。

ブラジルでは日焼けサロンの全面禁止。オーストラリアでも規制が進んでいるようです。

日焼けサロンの危険度

日焼けサロンが国際がん研究機関のリスク分類でグループ1に分類されたという話をしましたが、実際具体的にどの程度の危険度なのでしょうか。

カリフォルニア大学の研究チームによる報告によると、日焼けサロンを利用することで、

基底細胞がん発症リスク29%アップ

扁平上皮がん発症リスク67%アップ

さらに危険性が高いメラノーマのリスク59%アップ

ということです。

まとめ

紫外線を浴びることで人はDNAを損傷し、皮膚がんにかかるリスクが大幅アップしてしまいます。日焼けをするための施設である日焼けサロンはすでに発癌性リスク分類で最もリスクが高いグループ1に分類されました。

現在、各国で日焼けサロンの規制が進んでおり、実際に日焼けサロンを使用することによる具体的なリスク調査も行われています。

日焼けサロン以外の通常の紫外線でも当然、似たような危険性があるわけですので、この記事を読んでいただいたみなさんが紫外線対策をしっかりし、がんと無縁の生活を送っていただけることを願っています。

紫外線関連の記事はこちらも参考にしてください。