原価の真実 ~化粧品の原価は1%?~

2017年9月5日

化粧品は高価なものです。安いものでも数百円から始まり、高いものでは何万円もすることがデフォとなっております。ではこの化粧品の値段は相応のものなのでしょうか。中身は言ってしまえば水や油の混合物。ちまたでは化粧品の原価は売価の1000分の1という噂もございます。私は化粧品開発を通して、原価面にもかかわってきましたので、その真実をここでご紹介いたします。




化粧品の原料原価が安いは真実

もはや有名になりすぎているため、真実でもなんでもないですが、化粧品の原料原価は凄まじく安いです。実際、単純な原料代だけならば、数十円あればそこらで数千円で売っているクオリティと同等の効果の化粧水の製造が可能ですし、10円程度でそこそこ値の張る口紅が作れます。(化粧品メーカーのように原料を大量購入できる環境でならですが)

洗顔フォームや化粧水なんかはほとんど水でできているため、よほど良い原料を大量投入しない限りは、100円以内で使用感が良く効果抜群なものができてしまいます。

逆に口紅などの色物や、チークなどのパウダー品は、品質の良い粉や油を使えば重さあたりの値段は格段に跳ね上がりますが、売られる際の重量がせいぜい10gやそこらなので、製品1個あたりと考えると、原料代が100円かかることなどめったにありません(少なくとも私は見たことがありません)。

それでは化粧品はやはりぼったくりなのでしょうか?いいえ、それは違います。化粧品が高い理由は原料代以外のところにあるのです。

中身より高価【容器代】

化粧品の容器、かわいいものが多いですよね。女子たるもの、容器の可愛さを重視する方は非常に多いと思います。そのため、化粧品メーカー各社は素晴らしい中身を作ると同時に、いかに魅力的な容器を用意できるかでしのぎを削っています。そのため、おしゃれな容器の開発に力を入れ、売られている製品一つ一つの容器がこだわりを持って作られた容器となっています。これは高価な化粧品ほどその傾向が顕著で、数万円するような化粧品は容器代のほうが中身より高くなっていると考えて間違いないでしょう

絶え間ない努力【研究開発費】

化粧品の原料原価は安い。それは間違いありません。では、その化粧品が完成するまでに一体どれほどの苦労や努力があるのでしょうか。

こちらの記事を参照していただきたいですが、一つの化粧品を発売するまでに多くの検討を行い、時間と労力をかけています。さらに、大手メーカーなど研究活動を行う部署がある場合は、そちらにも人員を割き、少しでも良い製品を作り、お客様に喜んでもらえるために、日々の研究に励んでおります。こういった研究開発費はばかになりませんし、その結果として安い原料費で製品が作れるわけです。

さらにいうなれば、開発活動の中にはスケールアップという工程があります。スケールアップはラボで作った化粧品を数十キロ~数トンスケールで作ることができるように検討することで、何度も失敗すれば原料代だけでも数百万円の損失となりえます。

化粧品メーカーは、こういった開発における試行錯誤にお金を使っているわけであって、高価な化粧品ほど高レベルな研究開発の産物であると言えるかと思います。

まとめ

今回は研究開発的な視点で化粧品の原価についてご紹介しました。実際にはこれ以外にも広告費に大きくお金をかけるなどの化粧品マーケティングの特徴があり、一概に原価が安い高いは言えません。

そして、売値が高いものほど化粧品としての効果が高いのもまた事実です。同じメーカーから販売されている化粧品であれば、高価なものの方が効果効能が高いと考えられます。中身代としては80円と100円の差かもしれませんが、上で説明したように、それ以上に容器や研究開発費などの付加価値がついてきます。

では今度は違うメーカーのもので比較してみましょう。同じ値段であればどちらも同じようなクオリティなのでしょうか。答えはNOです。大きな企業ほど原料を大量買いできるためより安い原料原価で製品が作れます。さらに研究開発に力を入れている企業ほど技術が蓄積されているので、より研究開発費をかけずに良い製品を作れるため、結果として安く作れます。

結論として、同じ中身を作った場合、有名企業のほうが原価を低くできていると考えるのが妥当でしょう。