化粧品に配合されるビタミンC誘導体とは?~誘導体の意味から肌への効果効能まで~

2018年8月25日

ビタミンCと聞くと何を連想するでしょうか?

そう!レモンですね。ちなみにレモン1個あたりには20mgのビタミンCが含まれてるそうです。さらに言うと、レモンはビタミンCがとってもリッチに含まれる果物ですが、中にはレモンを凌ぐ猛者もいて、例えばアセロラ、グァバ、キウイなんかにはレモン以上のビタミンCが含まれています。

まあそんなことは置いておいて、今回は化粧品に多く使われるビタミンC誘導体という、ビタミンCなのかなんなのかよく分からない化学物質について解説していきます。




誘導体とは?

ビタミンC誘導体を語る前に、誘導体の意味を知らなければ話になりません。

誘導体は英語でderivativeとなります。derivativeを今度は逆に引いてみると派生物という意味であることが分かります。

つまり誘導体とは元の物質から派生してできた化合物のことです。

化学的には物質の構造や性質が大きく変わらない程度の派生物質のことを指します。

一方で化粧品における誘導体は別の意味も併せ持ちます。

誘導体が良く使われる成分は安定性が悪く、例えばビタミンCは還元力が非常に高く、逆に言うとすぐに酸化されてしまうと言えます。ビタミンCは酸化されると還元力がなくなってしまうため、本来の効果を失ってしまいます。

このように安定性が低くすぐに壊れてしまうような成分を肌に届けるために誘導体が生み出されました。

つまり化粧品開発の目線で見ると、誘導体は主にビタミンA、C、Eなどの壊れやすい物質に別の物質をくっつけて、壊れにくくしたもののことを指すということですね。

くっつける物質については色々ありますが、例えばグルコース、リン酸、マグネシウム、、、と多種にわたります。これらくっついた物質は肌中で酵素に分解され、はずされることで、ビタミンCが効力を発揮します。(中には誘導体自身が効果を持つものもあります。)

また、断トツでよく聞く誘導体はビタミンC誘導体で、それについでビタミンA(レチノール)誘導体、ビタミンE(トコフェロール)誘導体でしょうか。

ビタミンCのずばぬけた効果効能

ビタミンCはVCとよく訳される物質で、当然vitamin Cの略です。化学的にはL-アスコルビン酸と呼びます。

水溶性のビタミンの一種で食品からの摂取も大変重要です。分子量は176.12で以下のような構造をとります。

ビタミンC構造式

先駆者たちはビタミンCが分解しやすい物質であると知りながら、どうしても化粧品に使いたくビタミンC誘導体を生み出したのだと思います。

ビタミンCにはそこまでして使いたくなる魅力があるのです。片っ端から紹介していきましょう。

抗酸化

肌に悪影響を与えると言われる活性酸素。

これらは主に紫外線により発生すると言われますが、ビタミンCは高い高酸化力を持つことが知られており、活性酸素を還元して無害化する効果が知られています。

活性酸素の無害化は結果として肌の老化を遅らせます。

美白

ビタミンCと言えば高い美白効果で有名ですね。

メラニンの産生は酸化反応が連続することで起こりますが、高い還元力をもつビタミンCはメラニンができるいくつものステップでその邪魔をします

チロシンがチロシナーゼにより段階的に化学変化することで最終的にメラニンになりますが、ビタミンCがメラニン産生に必須であるチロシナーゼを阻害することは有名な話です。

さらにできてしまったメラニンを直接還元することで分解する作用まであります。

コラーゲン産生促進

肌のハリに大きくかかわるコラーゲン。このコラーゲンの産生に必要なのがビタミンCです。

ビタミンCはコラーゲンの発現を促進するほか、コラーゲンが構築される際の補酵素として働くことが分かっており、コラーゲンの産生に必須であると言われています。

その他

抗炎症作用や細胞活性化作用など、美肌の実現のために必要な効果が有名どころ以外にもいろいろと備わっています。

ビタミンC誘導体の種類

ビタミンC誘導体には様々な種類があります。

その性質によって大きく3群にわけることができ、水溶性ビタミンC誘導体、油溶性ビタミンC誘導体、両親媒性ビタミンC誘導体となります。

それぞれ見ていきましょう。

水溶性ビタミンC誘導体

水溶性ビタミンC誘導体は名前の通り水に溶けるので、スキンケア製品など水が含まれる製品に配合されます。

代表的な水溶性ビタミンC誘導体を以下に紹介します。

全て化粧品表示名で示しており、カッコ内は医薬部外品表示名称です。

アスコルビルグルコシド(L-アスコルビン酸 2-グルコシド)

ビタミンCにグルコースが結合した誘導体です。

熱や光への耐性が高く、肌中で酵素によりグルコースがとれることでビタミンCの効果を発揮します。

アスコルビルリン酸Na(リン酸L-アスコルビルナトリウム)

ビタミンCにリン酸とナトリウムを結合させた誘導体です。

安定性が高く、非常に水に溶けやすくなっています。

アスコルビルリン酸Mg(リン酸L-アスコルビルマグネシウム

ビタミンCにリン酸とマグネシウムを結合させた誘導体です。

上記アスコルビルリン酸Naとよく似ていますが、より安定性が高く、分解されづらくなっています。

3-O-エチルアスコルビン酸(3-O-エチルアスコルビン酸

VCエチルとして良く知られたビタミンC誘導体です。ビタミンCをエチル化しています。

特徴として、肌に塗布されたのち、ビタミンCに変化せずともそのままの状態でビタミンCと同様の効果がある点です。

この性質により即効性が実現でき、さらに安定性も高いです。

油溶性ビタミンC誘導体

油溶性ビタミンC誘導体は油に溶ける性質があり、主にリップ製品やクリームなどで活躍します。

こちらの誘導体についても2つ紹介しましょう。

こちらも全て化粧品表示名で示しており、カッコ内は医薬部外品表示名称です。

テトラヘキシルデカン酸アスコルビル(テトラ2-ヘキシルデカン酸アスコルビル)

VC-IPとして良く知られる油溶性ビタミンC誘導体です。イソパルミチン酸がビタミンCの周りに4つ結合するような構造をとります。

油溶性のため、水溶性ビタミンC誘導体に比べて皮膚に吸収されやすく、持続性も高いというメリットがあります。

パルミチン酸アスコルビル

ビタミンCにパルミチン酸が1つ結合したものです。皮膚内で酵素により分解されビタミンCとなります。

昔から使われていた油溶性ビタミンC誘導体ですが、配合がしずらく、近年はあまり使われなくなってきています。

両親媒性ビタミンC誘導体

両親媒性というのは油溶性と水溶性の両方の働きをもっており、界面活性剤と似た意味を持ちます。

代表的な両親媒性ビタミンC誘導体がAPPS・アプレシエとして知られる「パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na」になります。

パルミチン酸をつけて油溶性にしつつ、リン酸により水溶性の性質もあわせもちます。活性剤のような働きはありますが、安全性が高いことは示されています。

皮膚との親和性が水溶性や油溶性のビタミンC誘導体の比ではなく、浸透力100倍というデータもあります。

ただし、分解性が非常に高く、化粧品に配合されたのち数か月で分解されてしまうようで、粉末として保管し、使用時に入れるという手間がかかる一面もあります。

まとめ

今回はビタミンC誘導体についてご紹介いたしました。

誘導体とはビタミンなどの分解しやすい物質を皮膚中に届けるために、別の物質を付与したものということでした。

また、ビタミンCには美白をはじめ、抗酸化、コラーゲン産生など美白を実現するための数多くの機能があります。

ビタミンC誘導体には多くの種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあるということが分かりました。

ビタミンC誘導体については、原料メーカーの研究者たちが皆様にビタミンCの恩恵を届けるために、日夜、精力的に研究してくれていると思うので、今後、さらに効果の高いビタミンC誘導体がでてくることに期待です。